『バブル』と『ブーム』



 
 前回に続き、今回もニュージーランドの不動産をテーマにしたお話です。
 日本から不動産視察にニュージーランドに来られる方々からよく聞かれるこ
 とがあります。それは「ニュージーランドの不動産は『バブル』なのでは?」
 というものです。

 現在オークランドでは、対前年比で一般住宅の価格は12%上昇と報じられて
 います。「1年で12%の上昇」と聞いて、バブルなのでは?と考える方が多い
 わけですね。ニュージーランドに住んでいる日本人でさえも「クイーンズタ
 ウンの不動産はバブルだ!」とか「どこそこはバブル気味」という風にバブ
 ルという表現を地元に住んでいる日本人までもがよく使っています。

 しかし、本当に今の状況は『バブル』といえるのでしょうか?

 日本はかつてバブル景気と言われた時期に、株もそして不動産も短期間に
 急激に高騰したためか、「不動産の価格が上昇し続けること」と『バブル』
 はイコールと考える方が少なくありません。
 まず最初に『バブル』と呼ばれるものはどんな状態をいうのでしょう。
 何の実体もなく、ただ「値上がりして儲かるだろう」という人々の思惑によ
 り、買おうという人が市場にどんどん増えて来ると、買いが買いを呼ぶ状態
 になって、最後には異常なまでに価格が高騰していく、これは『バブル』だ
 といえます。

 例えば、天候不順が続くと農作物や果物の収穫が減少することが近年日本で
 もよくありますね。また昨年までずっと捕れていた魚が今年は海流や台風な
 どの影響によっていつもの7割ぐらいしか水揚げできない、というようなこ
 とがあります。すると卸売り市場でも、小売り市場でも受給バランスが崩れ、
 結果としてその食料品の値段が上昇します。

 さて皆さん、これは『バブル』でしょうか?違いますよね。供給量以上に需
 要が増えたり、または需要に対して供給量が今までよりも減少したりすると
 起こる経済の自然の現象ですよね。
 「日本経済最悪の選択」の著者、森永卓郎氏によりますと、『バブル』とい
 うのは、『本来の受給にもとづくのではなく、人々の思惑に支えられてモノ
 や資産の価格が高騰していく現象』を言うそうです。

 ちなみに1955年(昭和30年)から1985年(昭和60年)までの30年間、
  日本は右肩上がりの経済成長を続けていました。この30年間に物価は4.5倍、
  株は75倍、そして日本の市街地の土地の値段は何と49倍になったと言われ
 ています。
 単純計算すると、この右肩上がりの時代、物価は毎年5.2%、株は15.5%、
  そして日本国内の不動産は14%ずつ、毎年、複利で上昇していたことにな
  ります。日本でも不動産が毎年14%ずつ上昇している時代が30年も続いて
 いたのですが、だれもこの時期をバブルとは呼ぶ人は言いませんよね。
 
  何故でしょうか? それは“実需があった時代”だったからに他なりません。 
 さてその後、株は1985年から1989年までの4年間で3倍(年30%以上の
  上昇率!)になりました。80年代後半に日本はいわゆる、バブル経済に突入
  しました。

 『バブル』と『ブーム』、これは「人々の思惑で値段が上昇してしまった時
 代」だったのか、「本来の受給にもとずく不動産価格の上昇の時代」だった
 のか、の差ではないでしょうか。
 上昇率が何パーセントを超えたらバブルと呼ぶ、というのではなく、あくま
 でも「何故上昇しているのか」その理由、原因を考えることが必要だと思い
 ます。

 さて現在、海外からの移民とニュージーランド国内の他の地域からオークラ
 ンドに移り住んでくる人の増加で、オークランドでは毎日人口が100人ずつ
 増えていると言われています。
 こうした新たなオークランダー(Aucklander)の住む場所に対する需要、そ
 して前回お伝えした通り、ライフスタイルに合わせて引っ越しをする住み替
 え需要という「実需」によってオークランドの不動産は上昇しているという
 わけです。
 『バブル』ではありません。一度視察にいらしてください。

            


  ※KIAORA MAILニュージーランド掲載
  2004.03.06


キオラ・ニュージーランド キオラメール バックナンバー記事 お問い合わせ
   
ITZ Corporation Limited お問い合わせ