| 移民受け入れの現状 |
近年、世界のどの国も様々な不安要素が強まり、「安全な国」として、ニュ ージーランドが注目されていることは、読者の皆さんもよくご存じかと思い ます。 今回は、気になる「ニュージーランドの移民受け入れの現状について」お話 をしましょう。 この国は人口がまだ少なく、経済規模も大きくないので、経済を成長させて いくためには、”海外からの優れた移民を取り入れる”という政策が、ずっ と取られています。 この方針は、この国が出来た当初(今から約160年前)から一環していて、 あまり変わっていません。移民政策は絶えずこの国の経済政策と密接に関係 しているのが現状です。Immigration Minister(移民大臣?)という役職ま であり、実際にはCommerce Ministerがそれを兼務しています。現在は、Ms Lianne Dalzielが移民大臣です。 移民政策においては、経済成長のために外国人を多く受け入れることは不可 欠、でもあまりにも一度に大勢押し寄せるのは考えもの、きちんとモニター しよう、というのが実際のスタンスです。(ごく当たり前のことですが) そして今は、海外からの移民希望者が大変増えているので、いわゆる売り手 市場です。でもまた移民希望者の数が減少してくると、買い手市場に戻りま す。 ■アジアからの移民 この10年ほどを見ますと、国として関係を強固にしていきたいのは、やはり アジア諸国で、その結果としてアジアからの移民も増えていますね。特に中 国は、これからニュージーランドの製品を沢山購入してもらえる可能性が最 も大きい国ですし、中国からの留学生に対しても、よりビザを発給しやすく しました。これは中国がWTOに参加したことにもよりますし、またニュージ ーランドが一昨年から教育(特に海外からの留学生の受け入れ)に力を入れ、 大切な輸出産業に成長させて行こう、という流れにマッチしたことにも関連 しています。 近年、特にオークランドやクライストチャーチの街中で、アジア人を見かけ ることが多くなったのは、この数年の経済政策、移民政策の結果ですね。 また法律を犯して不法滞在している人達は、実際にはアジア諸国からは数が 少なく、この国の隣接諸国から来ている人達が多いのが現状で、これは今に 始まった問題ではなく、ずっと前からありました。 ただそうした隣接の国とは、政治的にも昔からニュージーランドが特別な関 係にありますので、マスコミもあまり強くは書けないのかもしれません。逆 に見た目が異なり、英語以外の言葉を話す”比較的新しい移民”であるアジ アからの外国人の方が存在が目立つし、またニュージーランド人は自分たち の職を奪われるのではないかという脅威に感じられるのは確かだと思います。 特に今年は選挙の年ですので、政治家は自分の人気取りのためにそれを意識 した発言や政策を打ち出してくるのはどこの国も同じですね。只、根底から この国の経済政策が変わることはないでしょう。また外国人の受け入れは減 らせないでしょう。この国は輸出重視の国です。 ■Uターン現象 移住先として人気のニュージーランド。 年間の移民枠を一昨年、これまでの38,000人から45,000人に上昇させた のは、実はそれまで毎年、NZ人が海外に30,000人流出(出稼ぎ?)してい たこともあったからです。現在は、そうした海外に住んでいるニュージーラ ンド人が、どんどんニュージーランドにUターンしてきています。 さらに移民枠の何十倍もの移住希望者が、昨年からこの国の永住ビザ申請を している状況ですので、この国のNet Immigration(=海外からNZに移住し てくる数からNZから海外に出て行く数を引いた人数)が急激に増えてしまっ ているのが現状です。 国が確実に伸びているので、これは喜ばしい事なのですが、ただし、もとも とパイが限られた小さな国ですので、どのように対応するのが一番良いか、 かなり慎重になっているのが正直なところではないかと思います。 海外に出て行く数が少なくなっている一方で、海外に住んでいたNZ人が戻っ て来て、さらに海外から移住してくる外国人枠を大幅に増やしたので、当然 ですよね。 海外からNZにも戻ってくるニュージーランド人に「戻ってくるな」とは言え ませんので、移民の数を何とかコントロールする調節弁は何かないかと考え ると、「英語の試験」の導入になります。これは受給のバランスを見て導入 されたり、また急に撤廃されたりと、これまでにも行なわれています。 只、この英語の試験導入で、すでに昨年から中国や韓国からの移民数は、明 らかに減少しました。そのため、語学学校で経営不振になっている所も出て きています。 年内にも再度、移民法が改正される(実際には見直しですが)ことが予定さ れていますが、「何故そうなっているのか」を理解することも必要ですね。 |
| ※KIAORA MAILニュージーランド掲載 |
| 2003.11.03 |
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