改革、そしてその後



 
 日本の国債の格付けが、またまた下がってしまいました。これでイタリアよ
 りもワンランク下がり、今では先進7ヶ国で最低のランクになってしまいま
 した。日本政府は格付けを行なっている大手の民間格付け会社、ムーディー
 ズやS&Pなどを相手に「なぜ格が下がっているのか理由がわからない。はっ
 きりとその根拠を知らせてほしい」という抗議をしたとか、しないとか。
 日本の政府の言い分はこの数年相変わらず、「日本は世界最大の債権国であ
 る」と。
 人間も国も同様、評価というのは他人がつけるものですね。自分では気がつ
 いていないクセや習慣など、自分ではそれほど意識していなくても、他人の
 目にはとても気になったり、ハッキリと見えることもあるようです。
 前述の欧米格付け会社のコメントは「構造改革の遅れ」。これが日本の国債
 の格付けがどんどん下がっているのが大きな理由です。物事の変化のスピー
 ドがどんどん早くなり、日本でも「10年ひと昔」と以前言われていたのが
 今では、「3年ひと昔」とも「1年ひと昔」とも言われるようになりました。
 その一方で、未だに進んでいない日本の構造改革。10年以上も解決を見ない
 でいる銀行の不良債権問題。日本では『失われた10年』などと呼ばれている
 ようですが、この過去10年が、実はこれまでの30年、いや100年にも相当す
 ることに気が付いていないのだとしたら事態は深刻です。
 
 世界各国でのビジネスチャンスを喪失し、他の国にすっかり遅れをとってし
 まったことを意味するという風に考えられないのだとしたら…、残念ながら
 日本の国債の格付けは、更に悪化していく可能性があるのではないでしょう
 か。
 「構造改革の遅れ」。これは日本人が考えているよりも、海外の人々の目に
 は致命的な痛手とも見えるのです。
 さて一方、ニュージーランドはどうなのか気になるところです。
 今から10年前と言えば、ニュージーランドでは規制緩和をどんどん進めてい
 たころです。300万人強の総人口の中で一時失業者が20万人を超えるぐらい
 に思いきった改革をこの国の政府が主導で行ないました。相当のウミも出ま
 した。「痛みを伴う改革」だったと思います。
 そして10年後の現在。さてニュージーランドの国債の格付けは?
 ご存じない方が多いかもしれませんが、この国の国債は現在、アメリカ、イ
 ギリスなどと同じくトリプルA(AAA)。世界で最も優れている国の1つにな
 りました。
 この1年間の為替の動向を見てみますと、対日本円ではNZドルが16%もアッ
 プ。(1年前に日本円をNZドルにしたら、実質16%増えたことを意味します。)
 対アメリカドルに対してもNZドルは12%アップしています。なお現在、アメ
 リカドルが日本円をはじめ、世界の主要通貨に対していずれもドル安傾向に
 ありますが、ニュージーランドドルは現在、対アメリカドルで世界で最もパ
 フォーマンスが良い通貨に位置付けられています。


  ※KIAORA MAILニュージーランド掲載
  2002.06.01


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