| オークランド・アップデート |
ニュージーランドは確かに人口が380万人と少なく、経済規模も日本などと 比べると、ごくわずかなものではありますが、「マイペースで着実に伸びて いる国である」と言えるでしょう。 ニュージーランドに住んでいる日本人の方と時々、お話をする機会がありま すが、皆さんよく「この国は相変わらずの不況で景気もなかなか良くならな くて…。」とグチをこぼされますが、実は実際のニュージーランドは現在、 それとは正反対のトレンドとなっています。 おそらくこうした日本人の方はニュージーランドに住んでいても、対日本と のビジネス環境の中でお仕事をされているケースが多いと思いますので、そ のように実感しているのかもしれません。但し、対日本だけでなく、ニュー ジーランド全体の現状を見てみると、全く異なっています。 たとえばオークランドの雇用を例に考えてみますと、新聞の求人広告を見て も、最近は日系企業からの募集はほとんど見かけなくなってしまいました。 企業の人員削減が日本国内だけでなく、すでに海外の現地法人や子会社にも 及んでいると聞きますので、無理もないことですが、一方、オークランドの 新聞の求人広告の全体数は、この半年ぐらいで飛躍的に伸びています。 業種別でもIT関連は相変わらず募集が多くなっています。 日本国内では残念ながらIT業界の成長も今や減速し、多くの関連企業が減益 やマイナス成長を発表していますので、まるで明日にでもITやインターネッ トがなくなってしまうかのように「もはやITは終わり」と短絡的に考えてし まう日本人のエコノミストも少なくないようですが、これはあくまでも日本 のIT業界のこと。日本のIT企業や日本人のITエキスパートが国際市場でマー ケットシェアを失っているということですよね。世界のIT業界は今後も競争 が激しくなることはあっても、存在が無くなってしまうことはありません。 ちなみに世界の財務ソフトの開発においては現在、ニュージーランドが世界 をリードしていると聞きます。この国の優れたソフト開発のエキスパートが アメリカの企業からプロジェクトを依頼され、アメリカ本国で勤務するので はなくニュージーランドに居ながらにしてアメリカの企業向けに日夜開発し ている例が多いのです。皆さん、ご存じでしたか? 話が少し脱線してしまいましたが、オークランドで今、問題が深刻になって 来ているのがこの人手不足。以前は前述のITなど特別な分野に限っての問題 でしたが、現在では、一般職にまでこの人手不足が目立って来ています。 企業にとっては人件費アップが懸念されているわけですが、その一方で雇用 されている側のサラリーマンやOLなどは、時給アップで結果的には所得が増 えているため、かえって個人消費が伸びていると聞きます。 今週発表されたニュージーランド小売業の業界レポートでも、所得の増加に よってニュージーランド全体の個人消費の伸びが報じられています。公務員 以外の民間企業に勤めるニュージーランド人全体の給与平均は対前年で3.5% の伸びを記録、これは過去4年間で最も大きなアップです。失業率はこの13 年間で最も低い数値になりました。新たな雇用もこの3ヶ月で16,000人も増 えています。 「たかが16,000人ぐらい」と思う方もいるかもしれませんが、これはこの国 の総人口の0.42%に相当。日本の場合に当てはめてみますと、3ヶ月で 520,000人の雇用を新たに生み出している計算になるのです。 こうして所得のアップでこの国の個人消費が伸び、小売り業界では特にレジ ャー関連や家具などの売上が伸びているわけですが、同時に現在は住宅ロー ンの金利の方も低下している状況ですので、この夏にはニュージーランドの 不動産の市況も活発になるとも予測されます。 このキオラメールを読まれている方の中にも、日本からニュージーランドに 移住を考えている方がいらっしゃるかと思います。通常の観光旅行でこの国 を訪れ、日本人の観光ガイドさんに「現地事情を聞く」のも確かに情報収集 の1つですが、実際の生活をシュミレーションしたり、移住プランを組み立 てていきながら現地視察を行うことを是非やってみてください。 滞在中は、日本人だけでなく、現地のニュージーランド人や企業とのネット ワークに触れて、その目で『実際のニュージーランド』を確かめてみること がとても大切だと思います。 |
| ※KIAORA MAILニュージーランド掲載 |
| 2001.10.23 |
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