ニュージーランドの移民政策アップデート



 
「特殊なスキルを持つ人材、またニュージーランド国内のビジネスに投資して
くれる起業家については、今までよりもさらに10,000人移民枠を広げて永住権
を発給させていく。」

今年2月にニュージーランド政府から以上のような発表があってから、すでに
2ヶ月がたちました。

オークランドの地元の新聞、ザ・ニュージーランド・ヘラルドにもほんの小さ
な記事でしか取り上げられなかったこの政府の発表ですが、NZの今後の移民政
策トレンドが予想できる記事とも考えられます。まず政府のこの発表をもう少
し詳しく説明しますと;

・海外からの投資家、起業家、そしてニュージーランド人では持っている人が
 少ない特別なスキルを持つ人材を今までよりも10,000人多く受け入れてNZ
  へのビジネス移民の合計を27,000人まで増やす
という内容です。

ニュージーランドに海外から優秀な人材が多く移住して来てこの国の経済がさ
らに発展することは喜ばしことですが、ここで気になるのは、「ビジネス移民
の数を今よりも10,000人増やす」と言っていますが、「全体の移民枠をあと
10,000人増やす」とは言っていない点。つまり『受け入れる人材を今後はもっ
と選択していきます』という意味です。
これからニュージーランドの永住権の取得を考えている方、ぜひ参考にしてく
ださい。

ちなみに現在の移民政策では、「年間35,000人レベルの外国人を海外から毎
年受け入れる」となっています。これまでの内訳は約半数の17,000人(=48%)
がビジネス移民。そして皆さんも良くご存じの、一般技能カテゴリーなどで永
住権を取得した人などの合計が18,000人でした。

今まではその割合が半分ずつぐらいになっていましたが、今後は全体の7割以
上については「ニュージーランドの国で欲しい人材はこういう人」という、市
場ニーズ、雇用ニーズにマッチした人を積極的に受け入れて行くということの
ようです。偏差値が高い人材よりも、一芸に秀でている人材が選ばれる時代と
いうことでしょうか。これは会社でも、国でも『選ばれる条件』は何か同じよ
うですね。さてもう1つ気になる情報です。

今月、2001年4月からニュージーランドでは年金の支給年齢が一律65歳にな
りました。ニュージーランドでも日本やアメリカ、ヨーロッパなどの先進国と
同様に「高齢化」が社会の問題となってきているのです。
「今までのように60歳前半でリタイヤして年金生活をするのではなく、皆さ
ん、少なくともあと5年長く働いてください!」というのがニュージーランド
政府から国民へのメッセージという訳です。

最近キオラメール編集部にも40代、50代の方から次のような内容のメール
をいただくことが多くなっています。
「こどもがあと◯×年で学校を卒業して就職するので、その後は夫婦二人でニ
ュージーランドに移住したい。」
また実際に、日本からニュージーランドに移住視察に来る方の数も増えていま
す。

さてこうした方が数年後に永住権を申請する時には審査基準(=合格ポイント)
がどのようになっているかは、残念ながら現時点では正確に予測することは大
変難しいのですが、「一般技能カテゴリーでの永住権申請には年齢制限がある」
という点には注意した方がよいと思います。
また、申請年齢リミットが今後下がってくる可能性もあるのではと考えます。
ちなみに現在の年齢制限は最高55歳まで。ただし前述の通り、今年から年金
受給年齢が65歳に伸びたことで、今後はニュージーランドのシニア層の雇用
市場の競争が激しくなるとも考えられます。
特にこれまでの「Industrial Age」ではなく 「Information Age」に大きくシ
フトしている状況の中、シニアの雇用先は世界規模でどんどん少なくなって来
ている現実があります。

自国のシニア層の労働市場(50代以上)が難しくなるトレンドの中で、外国
からの移民がニュージーランド人の雇用機会を奪ってしまうようなことがない
よう移民政策が新たには出てくるとも考えられます。
そのためには一般技能カテゴリーでもし申請ができなくなった場合も考えて、
ニュージーランドへの移住が可能なプランを考えることが必要になると思いま
す。


  ※KIAORA MAILニュージーランド掲載
  2001.04.23


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