| NZドル安で注目されること |
皆さんもご存じの通り、現在、記録的なNZドル安が進んでおり、対USドルでは 過去15年の間で最も安い水準にまで下がって来ています。 これまで「毎年クリスマス休暇は海外で…」というニュージーランド人の中に も、今年は国内旅行に切り替えるという人も多いと聞きます。 ちなみにNZドルベースで各地(各国)の料金比較してみましょう。 Q:「お昼にマクドナルドでビッグマックとコーヒーを頼み、その後、映画を 見たら、一体いくらかかるか?」 場所 ビッグマック コーヒー 映画(大人料金) 合計 ……………………………………………………………………………………………… ロンドン NZ$6.55 NZ$3.10 NZ$37.93 NZ$47.58 ロサンゼルス 5.13 1.79 20.29 27.21 メルボルン 3.87 1.42 17.69 22.98 オークランド 3.55 1.60 11.00 16.55 (参考:ザ・ニュージーランドヘラルド) 原油価格の高騰にともない、航空会社各社も現在、航空運賃の値上げを検討し ていると聞きます。さらに今回のNZドル安により、上記の表を見てもおわかり の通り、ニュージーランド人が海外に出て旅行を楽しむのはかなりお金がかか りそうですね。私の友人は先週、ヨーロッパの出張から戻ってきましたが、乗 り継ぎの際、成田で飲んだコーヒーの値段があまりにも高いのにびっくりした、 と話していました。 さてこの急激なNZドル安の現象で、逆に日本からニュージーランドに観光で訪 れたり、ニュージーランドへの投資を考える場合には、これまでにない割安感 が出ているのも事実です。知り合いの不動産業者の話では、オークランドで不 動産を購入する日本人の姿が急に増えて来たとのこと。 今回はこうした状況の中、ニュージーランドの新聞を賑わせている記事を2つ ご紹介します。 まず1つ目はNZドル安を受けて、ニュージーランドへの投資に踏み切った外国 企業が非常に多くなっているというニュース。輸出関連ビジネスだけでも、 すでに15の外国企業がニュージーランドへの参入をすでに決定していると報じ られています。この15社によって今後3年で700名ぐらいの雇用が新たに創造さ れると期待されていますので、ニュージーランドにとっては明るい話ですよね。 実際、ニュージーランドからの輸出はドル安も手伝って、記録的な伸びを見せ ており、今後はさらに輸出志向型の経済になっていくと予想されます。特に以 前にご紹介したマリン業界は現在、絶好調のようで、オークランドにあるスー パーヨット専門の造船会社、センセーション・ヨット社(Sensation Yachts) などでは、今や国内だけでは人手が足りなくなり、現在、南アフリカから多く の技術者が応援に駆け付けているほどビジネスが拡大しています。 オークランドの新聞によりますと、これまで100名以上のボートビルダーがニ ュージーランドの造船業界の人手不足を緩和するために南アフリカから来てい ると報じられています。 輸出はこのように伸びており、新たな雇用も創造されたり、人手不足も発生し ている業界もあるのですが、さて一方で懸念されているのが、若いニュージー ランド人の海外流出。もう1つの話題がこれで、実は現在、優秀な人材がニュ ージーランドから海外に流出する傾向が強くなっているのです。 もともとニュージーランドは日本と同じ島国ですから、自分の国だけでなく他 の国も見て見聞を広めたり自国では味わえない経験をつけようとする「OE」 (=Overseas Experienceの略)を奨励する環境にありました。しかし数年の 経験をつけた後にニュージーランドに戻ってくるのではなく、海外に出たまま 戻って来ない若者が現在、多くなっていると報じられています。 特にNZドルが外国通貨に対して弱くなればなるほど、海外で働いた方が(NZド ルに直した場合)給料が高くなるわけなので、優秀な人材であればあるほどニ ュージーランドから海外に出て行ってしまう、いわゆる「ブレイン・ドレイン (Brain Drain=頭脳流出)」が社会的な問題に発展しています。 今年初旬にオークランド大学の大学院に在籍する学生800名を対象に行った調 査では、学生の2/3はニュージーランド国外で生まれており、「5年後には海 外で働いている」と考える学生はなんと全体の8割以上に達しています。 ニュージーランドでは大学はどこも国立大学で、国の資金負担率は現在75%に 設定されています。(10年ほど前まで授業料は無料でした。) 国が資金を負担し、優秀な人材を数多く誕生させても、大学卒業後に海外に流 出してしまうのでは問題です。特に、国の資金といっても、もともとはニュー ジーランドに住む納税者の税金なのですから、このブレイン・ドレインの傾向 はニュージーランド人にとって大変身近な問題といえます。 |
| ※KIAORA MAILニュージーランド掲載 |
| 2000.11.01 |
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