永住権の取得〈一般技能カテゴリー



 
「ニュージーランドが大好きなので、是非、永住権を取得して住みたいのです
が…。」キオラメール編集部にもそうしたニュージーランドファンからのメー
ルが、たびたび届くようになりました。

今回は多くの皆さんが興味を持たれている「一般技能カテゴリーでの永住権申
請」についてお話します。


■ニュージーランドが受け入れたい人材

「ニュージーランドがとにかく好きなので、将来、住みたいのですが、どう
したらいいのでしょうか?」

この方、仮にAさんとしましょう。Aさんは今年27歳の独身男性。大学を卒業後、
すぐ就職しましたが、3年間働いた後に退社。ワーキングホリデーでニュージ
ーランドに約1年間滞在。今年の2月に帰国しました。現在はアルバイト中で
すが、「ニュージーランドがとにかく好きなので、早く永住権を取得して、ま
たニュージーランドで暮らしたい。」そう考えています。
皆さんの周りにもこのような方がいらっしゃるかもしれませんね。

ところで世界中の国々にはそれぞれに「外国人受け入れに関する政策」があり
ます。イミグレーション・ポリシーと呼ばれるものですが、もちろん日本にも、
そしてニュージーランドにもあります。これは現行の移民法にもとずいて、
「年間の移民受け入れ数を何人にする」とか「どのような人材を積極的に海外
から受け入れるか」といった具体的な政策ですが、現在、ニュージーランドの
イミグレーション・ポリシーは以下のようになっています。

*イミグレーション・ポリシー*******************************************

☆『1年間の移民受け入れ枠:35,000人』

☆『ニュージーランドの経済、文化の発展に貢献できる可能性を持つ、優れた
人材を多く受け入れる』

**********************************************************************

「知る」コーナーでは前回、永住権に切り換えられるユニークな長期労働ビザ
についてお話しましたが、このビザは上記の政策によって生まれました。
つまりニュージーランドで自ら事業を起こして経済に貢献した起業家には、積
極的に永住権を発給して、さらにニュージーランド経済に貢献してもらおう、
という意図があるわけです。

それでは、起業家や投資家ではない場合はどうなるのでしょうか?
冒頭でご紹介したAさんがこのタイプになりますが、その場合は「ニュージー
ランドにとって有益な人材がどうかが審査され、合否が決定される」わけです。
つまり各項目ごとに審査が行われ、その評価(=取得したポイント)によって、
ニュージーランドにとって有益な人材かどうかのふるいにかけられ、合格点に
達している場合に永住権が発給される、という仕組みになっています。これが
ポイント制とも呼ばれている『一般技能カテゴリー』での永住権申請です。
 

■必要なのは「英語力」と「充分なポイント」
ニュージーランドが大好きなAさん。ここからはAさんの永住権取得の可能性に
ついて話を進めていきましょう。
まずニュージーランドは英語圏ですから、Aさんが有益な人材であるためには、
当然ながら英語力が不可欠となります。具体的には「IELTS」という英語の試
験で合格点に達していなければなりません。これは日本の英検準1級かそれ以
上のレベルと言われているようです。Aさんはもう少し英語を勉強しなければ
ならないようです。


そして問題の「一般技能カテゴリー」ですが、これは以下の項目ごとに審査が
行われます。

┌〈一般技能カテゴリー〉───────────────┐
│・Qualifications(資格・学歴)           │
│・Work Experience(職歴)              │
│・Job Offer(雇用主の有無) │
│・Age(年齢)                    │
│・Settlement Funds(移住資金)           │
│・Partner Qualification(配偶者の資格・学歴)    │
│・New Zealand Work Experience(NZでの職務経験)   │
│・Family Sponsorship(家族のスポンサーシップ)   │
└──────────────────────────┘


ここに簡単に判定表をまとめてみました。
Aさんの合計点は何点でしょうか?また皆さんはどうでしょう?

○Qualifications(資格・学歴)────────────────
│ NZの大学レベルと同等の資格・学歴(3年過程以上):10
│ 上級資格                    :11
│ マスターまたはドクター資格           :12
│ またNZで取得した資格がある場合の追加得点    : 1

│ 注)最低10点(=NZの大学レベルと同等の資格・学歴)が必要。


○Work Experience(職歴)──────────────────
│   2年 : 1
│   4年 : 2
│   6年 : 3
│   8年 : 4
│  10年 : 5
│  12年 : 6
│  14年 : 7
│  16年 : 8
│  18年 : 9
│  20年 : 10

│ 注)仕事は週30時間以上で、最低1点(=2年の職歴)が必要。


◯Job Offer(雇用主の有無)─────────────────
│ ニュージーランド国内で雇用主がいる場合: 5

│ 注)正社員として最低12ヶ月以上雇用してくれる企業であること


◯Age(年齢)────────────────────────
│  18〜24歳: 8
│  25〜29歳:10
│  30〜34歳: 8
│  35〜39歳: 6
│  40〜44歳: 4
│  45〜49歳: 2
│  50〜55歳: 0

│ 注)56歳以上は一般技能カテゴリーでの永住権申請ができません。


◯Settlement Funds(移住資金)────────────────
│  NZ$100,000(=約550万円) :1
│  NZ$200,000(=約1100万円) :2

│注)ここではNZ$1=55円で計算しましたが、これは為替の動きによっ
│て変化します。


◯Partner Qualification(配偶者の資格・学歴)─────────
│  NZの大学レベルと同等の資格・学歴(3年過程以上):1
│  それ以上の資格                 :2


◯New Zealand Work Experience(NZでの職務経験)────────
│  1年 : 1
│  2年 : 2

│注)1週間に30時間以上の仕事で、なおかつ資格・学歴に関係のある
│職務であること。


◯Family Sponsorship(家族のスポンサーシップ)─────────  
│  年齢が17歳以上になる家族(親、兄弟姉妹、子ども)がニュージ
│  ーランドの国籍、または永住権を持って、3年以上居住している
│  場合 : 3


さて、Aさんの自己判定は?

・Qualifications(資格・学歴)          : 10(4年制大学卒業)
・Work Experience(職歴)            : 1(3年間勤務)
・Job Offer(雇用主の有無)           : 0(なし)
・Age(年齢)                  : 10(28歳)
・Settlement Funds(移住資金)          : 0(貯金は約550万円
 以下)
・Partner Qualification(配偶者の資格・学歴)  : 0(独身のため)
・New Zealand Work Experience(NZでの職務経験) : 0(NZ滞在中は数カ
 月のアルバイトのみ)
・Family Sponsorship(家族のスポンサーシップ)  : 0
----------------------------------------------------------------------
 合 計                     : 21点


2000年4月現在では、合格点(パスマークと言います)は24点。23点以下は残念
ながら永住権の発給にはなりません。Aさんはあと3点必要です。
尚、このパスマークは移民の受け入れ数に合わせて上下します。
5年ほど前、ちょうど香港返還の前には多くの優秀な人材が香港や韓国などか
らカナダやニュージーランドに殺到した時期がありました。その時のパスマー
クは28点。また当時の為替はNZ$1が70円台後半でしたので、その頃から比べる
とここ数年はかなり永住権取得のハードルが低くなった感じがします。

さて最後になりましたが、永住権や労働ビザなどのビザの申請は「移民法」と
いう法律に関する行為となりますので、移民法に詳しく、最新の情報を持つ現
地の弁護士に申請の相談をするのが最も安全な方法と言えます。

また移民コンサルタントは弁護士ではありません。単に日本語が話せて、「昔
イミグレーションオフィスに勤務していた」という肩書きだけの、自称、移民
コンサルタントも中にはいると聞きますので、くれぐれも注意してください。

尚、ビザに関する最新の情報はニュージーランド政府の
<http:www.immigration.govt.nz>を参考にしてください。


  ※KIAORA MAILニュージーランド掲載
  2000.05.01


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