豊かな森林



 
ニュージーランドを訪れてまず最初に感じることは、なんて緑が多い国だとい
うことだと思います。飛行機の窓から見下ろす風景はまるで国土全体がゴルフ
コースと言った日本人らしい感想もあったりして。また、木の大きさにも驚か
れることでしょう。街の郊外でも、ふと見上げるとそこには巨木といってもい
い木がどっしりとした存在感をもって我々の目を楽しませてくれています。

世界中で環境保護のための木材伐採規制が叫ばれている今日、ニュージーラン
ドはどうなのか。今回はニュージーランドの森林について。

森林はニュージーランドの総国土面積(2700万ヘクタール)の23%を占めてい
ます。そのほとんどが今も天然林が占めていますが、これは木材の供給のため
ではなく、その役割は主に土壌や水の保全、レクリエーションのために確保さ
れています。

1920年代以降、入植者達によって様々な樹種が移入され、この時から天然林に
よる木材供給から人工林への供給の移行が大規模に進められました。
人工林としてこの地に合った針葉樹が植林されましたが、その中でも非常に
生長の早いラジアタ・パインが注目され、その後もこの樹種を中心とした植林
を進めることになりました。

ニュージーランドにおける人工林の比率は総森林面積の5%(130万ヘクタール)
で世界基準から見ると少ないと言えますが、先にお話したようにラジアタ・パ
インの生長率が早い(大径木=直径80cmを樹齢30年で伐採できる。)ことから
継続的な供給を可能としています。推定によるとニュージーランドにおける植
林可能面積として、まだ300万ヘクタールあるといわれています。

実はラジアタ・パインは現在世界で最も広い地域に植林されている樹種なので
すが、その資質を100%生かした形で管理されているということやニュージーラ
ンド林業研究所による様々な技術開発、研究によって世界で最も管理の行き届
いた人工林として認識されるまでになりました。

これらラジアタ・パインの植林は30年後を想定した投資として多くの投資家や
林業家によって1960年代後半の第2次植林ブームを作りましたが、数字でみると
人工林の80%が大企業(Carter Holts Harvey社やFletcher Challenge Group社)
の所有するものであり、残りが個人や自治体の所有になっています。

2005年にはニュージーランド木材生産量は年間に2000万立方メートルに達する
と考えられており、その大部分は輸出を前提としています。
(データ出所:森林所有者協会)

このラジアタ・パイン材は日本にも以前から様々な形でニュージーランドから
輸出されています。可能性をたっぷり秘めたこの木については、また次の機会
にお話したいと思います。

豊かな森林はその下に良い土を生み、水を蓄えます。
ニュージーランドってどうしてこんなに空気が澄んでいるんだろう?
なぜこんなに緑がみずみずしくそして深いんだろう?なぜ水が美味しいんだろ
う?花や野菜がよく育つのは?
自然環境と人の関係がどうあるべきか…。
開発ということばかりに目を向けていては、きっと本当の豊かさは感じられな
いんだろうなあ、そんな風に思ってみたりします。


  ※KIAORA MAILニュージーランド掲載
  2000.003.15


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