| 木と家具のお話 |
マオリ族は森を神の棲む場所として、大切にしてきたといわれていますが、 彼等は今よりもっと豊富にあった様々な種類の木の長所、短所を知り、それを 生かした道具を作り続けていました。家、船、生活に必要な道具など、家具も そのひとつです。 ニュージーランドの人達は、木の家具をとても好みます。 人気があるのは、カウリ(Agathis australis)、リム(Dacrydium Lamb)という 主に北島に分布している針葉樹を素材とした家具。そして、広葉樹では南島北 西部のブナ(Beech)材の家具の人気が高いようです。 かつては家の構造材や内装材に使われていたこれらの種類も今では高級材とし て扱われ、良質材を見つけるのは困難とされています。 特にカウリは人気が高いため、フィジーで植林されたフィジー産カウリも今で は多く利用されています。(ニュージーランド産と比べると、特に強度で劣る とされています) 樹齢200年のカウリを家の構造材や内装材に使ったヴィラは100年経ってもしっ かりとした造りで、このタイプの家は家そのものの価値が年を追うごとに高く なっていきます。その上、たとえ家を取り壊すことになっても、その廃材は高 値で売られ、デモリーションカウリ材と名前を変えて、また家具などに生まれ 変わっていくことになります。 日本では環境問題が連日取り上げられ、またリサイクルに対する興味も増して いるというのですが、低価格&機能性重視、また俗に使い捨て?といわれる家 具達の中には、再利用できないものや有害物質を発生させる材を使って作られ る物は、まだまだ多いのも現状です。 本当によいものを見分ける目を持って長く使えるものを持つことが、これらの 事情を緩和するヒントになるような気がするのですが、皆さんはどう思われま すか? 話を戻しましょう。 ニュージーランドの人達は、木の家具が好きだと言いましたが、木に対する 認識が日本人のそれとは少し異なるために、完成した家具についての評価も違 ってくることになります。 例えば、木の年輪(育ってきた環境)が造り出す模様や色の変化をニュージー ランドの人達は美しいと言い、変化のないものをたいくつだと言って、あまり 好みません。この点が大きく違います。 工業生産型の量産家具を見慣れている日本人にとって、ひとつひとつが違う顔 を持つ家具に拒否反応を起こしてしまいがちです。年輪の乱れ(多分この時期 大きな気候環境の変化があったと予想できます)を欠点と思ってしまいます。 彼等は、全て同じ横並びではなく、木にも個々のキャラクターを求めているの ですね。 無垢木を使った家具は、少しのメンテナンスを加えてやることで年々存在価値 を増していくようになります。どうしても気になる傷や焼跡などがある場合は、 サンダーで表面を削ってやればきれいに生まれ変わります。(器用なキーウイ ・ハズバンドが得意とするところです。) そして、私達よりずっと長い間、生きていけるものなのです。 機能性やデザインは確かに使う上で大切な要素ではありますが、それだけでは ないはず。人が触れることが多い家具(特に椅子)には、スティールやプラス チックでは感じることの出来ない木の持つ温かさ、優しさを感じることができ ます。 私の知人の家にあるラウンジチェアーは、何と曾おじいさんが家を建てた時に 買ったという。彼の書斎にある大きな本棚の前で、アメ色に輝いたこの椅子は、 この家の一員のように、無くてはならないもののように感じました。 「ここが私の一番好きな場所だよ」と言っていた彼の言葉もとても印象に残っ ています。 ヨーロッパから伝えられたウッド・クラフトマンシップがしっかりと残された 魅力的な家具を造る人達がニュージーランドには多くいます。彼等の店は大都 市の街の中心部より郊外に多くみられますので、旅の途中で見かけたら、ちょ っと立ち寄っていかれることをお薦めします。 最後に、とてもユニークな家具を作っているお店をご紹介しましょう。 ハンドクラフトにこだわった家具や小物作りをしているのが、David & Jenny 夫妻。素材となる木は、主にカウリやマクロカーパ材を使用。テーブル、椅子、 キャビネットの他、木の玩具などの小物もあります。一本の木に無駄なところ は何処にも無いと言うオーナーの考えで、欠点とされて通常は使わない木の捻 れや節をうまく利用した作品は素晴らしいの一言です。 とてもフレンドリーなお二人から木や家具の話が聞けることでしょう。 NEAR LEIGH WOODWORKS Pakiki Rd, Leigh tel: 09-422-6559 Showroom Open: Wednesday to Sunday / 10.00 - 16.00 オークランド市内からハーバーブリッジを越えて北へ約1時間のドライブ。 途中には、ファームがあちこちにあり、この辺りはいかにもニュージーランド らしい風景を目にすることができます。ウインドサーフィンのメッカである OREWA Beach、温泉プールのあるWAIWERAを横目に海沿いの道を抜け、WORKWORTH の街を過ぎるとすぐにLEIGHというサインが見えるので、そこを右折、あとは 道なりにサインを見落とさずに気をつけてどんどん進むと小さな街LEIGHに到着。 BLUE GENERAL STOREという店を目印に、そこから北へ3分のところにショールー ムは、あります。 家具の写真を撮ってきました。 KIAORA WEB PHOTO GALLERYでご覧になれます。 http://www.itsnz.com/kiaora/photo.html 無機質なものに囲まれて暮す事の多い我々現代人ですが、ニュージーランドに 来たら、ここで産まれた木の家具を、ちょっと違った目で見て、触れてみては いかがでしょう。 |
| ※KIAORA MAILニュージーランド掲載 |
| 2000.01.07 |
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