ネイティブ・バード



 
なぜか今回は、愛すべきニュージーランドの野鳥の話。

一億年前…、ニュージーランドはオーストラリアと陸続きでした。
それだけではなく、現在の南米、アフリカ大陸、インド、アラビア半島ととも
に「ゴンゾワナ大陸」を形成していたといわれています。地球規模の大陸移動
が活発になり、ニュージーランドはゴンゾワナ大陸から離れ、ポツンと浮かぶ
大きな島となったのです。ニュージーランドがゴンゾワナ大陸から切り離され
た際、哺乳類もヘビも生息していなかったと考えられています(2種類のコウ
モリを除き)。そのため、天敵のいない楽園で鳥達は永く生き延びる事が出来
たのですが、天敵がいなかったせいなのか、どうか定かではありませんが、哺
乳類化したかのように飛べない鳥達がニュージーランドには存在します。

飛べない鳥といえば、まずキーウイを思い浮かべられる方も多いと思います。
国鳥としてニュージーランドを象徴するこの鳥は、夜行性で、夜間に数時間活
動する以外は、ほとんど眠っています。この数時間の活動時間にミミズや昆虫
などを食べているようです。メスが卵を産むと、その後ヒナが返る迄までの約
3ヶ月間は、オスがせっせと面倒を見ることになります。家事をまめに手伝う
ニュージーランド男性のことをキーウイ・ハズバンドと呼ぶのは、ここからき
ているようです。現在、野生のキーウイは深い森林に居場所を求め、ひっそり
と暮しています。これ迄確認されている6種類のキーウイの中で特にリトル・
スポット・キーウイが、絶滅の危機にあるといわれています。

キーウイと同じく、飛べない鳥であるカカポは、世界でも類をみない珍しい鳥
といえます。分類学的には、飛べないオウムは世界でも類をみないため、彼等
一種のためにカカポ亜科という特別な分類をされています。通常、オウムは社
交的な鳥として広く知られていますが、カカポは森深くに群れる事なく暮し、
木の実、花、葉、樹皮などを食べて生きています。容姿は、オウムというイメ
ージからは遠く、モスグリーンのきれいな羽と口元に細いヒゲを持っています。
唯一オウムらしいところといえば、好奇心が旺盛なところだといわれています。
現在生きていると思われるカカポの数は、わずか62羽。


現在ニュージーランドには、100種類近くの鳥が確認されていますが、その
うちの半数がニュージーランドの固有種です。
人間が持ち込んだ外敵におびやかされ、先にお話したキーウイやカカポを含め、
現在では固有種の鳥の殆どが絶滅の危機にあります。そこで、(*1)DOC
(The Department of Conservation)をはじめ、国を挙げて繁殖のための保護
体制が敷かれています。
この愛すべきネイティブバード達は、ニュージーランドの自然保護の象徴でも
あるのです。


[ネイティブ・バードに会える島]
南島北部にあるマールボロマリンリザーブ(海の聖域)には、野鳥の島たるもの
が存在します。モツアラ島とモード島の二つの島です。
モツアラ島ではロビン(こまどり)やツイ(エリマキミツスイ)、ベルバード、サ
ドルバック、ファンティル、ニュージーランドハト等の野鳥が親しげに寄って
きたりします。ここでは、保護されているブルーペンギンの木箱の巣が所々に
見ることもできます。モード島では絶滅寸前の飛べない鳥カカポ、タカへ、キ
ーウイなどの鳥のほか、(*2)ジャイアント・ウエタが保護されています。
島の周りには、哺乳類用の罠がしかけてあり、島には一匹も哺乳類が生息して
いません。随時、自然保護省の職員が住みこみで管理しており、一般公開され
る時は、この職員から詳しい説明を受けることができます。

モツアラ島には、年間を通じてツアーが催行されているので、ピクトンから半
日あれば行くことができます。モード島は一年に一ヶ月間しか島を一般公開し
ておらず、通常は、毎年一月の週末にツアーがハベロック(ネルソンとピクトン
の中間地点)から日帰りツアーが催行されます。

(*1)DOC (The Department of Conservation) 
 ニュージーランド自然保護省
http://www.doc.govt.nz/
 自然保護省では、カカポを絶滅の縁から救うために、基金の調達、現実の野
 外作業、様々な形の研究などを行っている。
 お問い合わせ先
The Kakapo Recovery Programme,
 P.O. Box 10-420, Wellington, New Zealand.

(*2)ジャイアント・ウエタ
 ニュージーランド固有の巨大コウロギ。
 マオリの人々から「夜の悪魔」と呼ばれているこの夜行性のコウロギは、体
 長およそ10センチほどにもなり、さらに頭部には20センチの触角を持つ、
 世界に類を見ない珍しい一種である。


  ※KIAORA MAILニュージーランド掲載
  1999.12.15


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