ニュージーランドのオーガニック事情



 
●ニュージーランドの認証団体

製品がオーガニックであることを認定する機関としてニュージーランドには、
Bio-Gro New Zealand (バイオグロー・ニュージーランド)があり、今か
ら16年前の1983年に設立されました。

この機関は世界のオーガニック認証団体であるIFOAM (=International Fed
eration of Organic Movements、本部はドイツ)の会員になっているため、
Bio-Gro New Zealandの認証マークのついた製品は、海外に輸出されても、
その国で正式にオーガニック製品として販売することが出来るようになってい
ます。

このバイオ・グローの認証マークを商品につけて販売している企業は、現在約
260社あると言われており、その中には日本を含めた海外の企業もあります。
このマークがついた商品は世界中どこでもオーガニックとして販売できるわけ
ですが、実際にはこのマークを取得するまでに、相当な時間とコストがかかり
ます。


●認証マークが取得できるまでの手順

バイオ・グローが行う審査は、先に挙げたIFOAMの定めるオーガニック基準に
ならって行われ、通常は次のようなステップとなります。

1)まず自分の製品がオーガニック認証規定に合っているかどうか確認するた
  めのガイドラインを入手し、その基準にあった土地にした後、1年間その
  土地を放置しなければなりません。この1年の間に検査官が頻繁にやって
  来て、農薬などを使用していないかどうか何度も抜き打ち検査が行われ、
  1年が経ったところで、正式に審査が行われます。

2)審査依頼を申し込むと、Bio-Groより申請用紙といっしょに分厚い質問用
  紙がとどきますので、これに生産に関するありとあらゆる項目について詳
  しく書き込み、生産部の責任者が代表で署名して提出します。

3)その後、検査官が土地にやって来て審査し、確かにオーガニック生産を行
  っていると判断されると、Transition Bio-Groというマークをもらいま
  す。これは「現在審査中の製品です」という意味のマークで、決してBio
  -Gro New Zealandから認証されたというものではありません。(日本の
  大手スーパーにはTransition Bio-Groのマークをつけて、オーガニック
  コーナーに製品を陳列しているものもありますので、注意してください。)

4)この審査中マークを取得後さらに2年間、オーガニック基準にしたがって
  生産を行って、やっと最終審査にこぎつけます。この審査に合格してはじ
  めて、Bio-Gro New Zealandの認証マークが取得できることになってい
  ます。

ここまでが一般的なオーガニック認証の話ですが、ニュージーランドのオーガ
ニック製品の状況はどうかといいますと、ニュージーランド国内の市場でBio-
Gro New Zealandの認証マークがついていない商品がかなり流通しています。
それはなぜでしょうか?


●ニュージーランド人とオーガニック・プロダクション

もともとニュージーランド人は環境や自然が身近にあり、どんなに狭い家でも
庭にはフルーツなどの木があったり、ちょっとした野菜を育てています。
ですから無農薬だと栽培にどういう手間がかかるとか、自然の物だとどういう
形で、どういう味になるかなどが、実体験を通して理解しているので、わざわ
ざ認証マークに頼らなくても、自分で判断できると考える消費者が多いのです。

日本でもオーガニックの関心が高まり、中にはオーガニックと偽ったものまで
現れてきているため、「消費者の保護のため」にも、オーガニック認証制度の
整備が急がれています。そして今後は商品に認証マークがついているかどうか
が、販売を大きく左右すると言われています。

ニュージーランドは、逆に認証マークがついている商品の数はここ最近増えて
いません。ニュージーランドにはオーガニック認証制度ができる前からすでに
「オーガニック・プロダクション」という考えがあって、生産者もそういうも
のを作り続けていましたし、消費者側も長年、購入して来ました。ですから、
オーガニック認証マークがついていなくても消費者が判断でき、今さら認証マ
ークがそれほど必要ではないのです。

認証マークをつけて「正真正銘のオーガニック」という売り方が悪いとは言い
ませんが、実際に認証を受けるまでには、どこの国の場合でも、時間と費用が
かかっているため、当然そのコストが上乗せされた価格で消費者は製品を購入
しているのが現状です。

オーガニックであるものや、本当に体に良い物を自分で判断できる目を養うの
は、短期間では不可能です。しかし、日本でも信頼できる本物の製品が、信頼
のおける人間からダイレクトに購入できるシステムがもっと増えると、オーガ
ニックの市場がさらに成長するかもしれませんね。


  ※KIAORA MAILニュージーランド掲載
  1999.08.15


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