ニュージーランドの教育について



 
ニュージーランドに留学をしてみたい、家族で移住したいが子供の学校が心配
など、ニュージーランドの教育現場について日本とどう違うのか興味のある方
も多いと思います。ここ数年日本では少年犯罪の増加やまたその子供達を取り
巻く生活環境が大きな問題として取り上げられていますが、ニュージーランド
の子供達はどのような環境の中で教育を受けているのか。
今回はニュージーランドの教育について様々な角度から目を向けてみます。


●ニュージーランドの教育制度

ニュージーランドの教育は大きく分けると、幼児教育→初等教育→中等教育→
高等教育に分かれています。


[幼児教育]
0歳から5歳までの子供を受け入れる託児所(Play Centres)、就学前幼児学級
(Pre-School)、保育園(Childcare)は、それぞれの父兄などによる個人経
営により運営されているところが多い。
3歳から5歳までの子供を対象とする幼稚園(Kinder-gartens)は、政府によっ
て運営費のほとんどがまかなわれています。
子供にとってこの時期は言葉を覚える大切な時期でもあるので、この年齢の子
供を持つ親は早めに入園させておくことが良いと思います。特に両親が日本人
の場合は。


[初等教育] 
5歳から10歳までの子供を対象にした小学校は6年制。小学校卒業後11歳から
13歳までの子供を対象にした日本の中学にあたる「インターメディエイトスク
ール」に進学するか、または5〜13歳までの小中一貫教育を行う「フルプラ
イマリースクール」へ入学します。

ニュージーランドの学校の多くは公立なので、ほとんどの生徒が公立の小学校、
中学校に通っています。公立校は政府(教育省)が定める予算と父兄の負担金
(授業料は無料だが、若干の教材費、行事費、寄付金など)によって運営され
ています。この父兄の負担金の額ですが、学校によってかなり差があるのです
が、平均すると大体年間にNZ$150(約9,500円)といったところです。

基本的には子供はどの学校にも入学申請はできますが、学校の生徒定員数がい
っぱいになった場合は受け付けてもらえないので、入学を希望する学校がある
場合は通常3歳迄に入学申し込みを終えるようにしています。
学区制については87年に全面廃止となりましたが、一部では「ゾーニング」
という規制を設けています。これは決められた生徒数に達した学校が、地域的
な制限をかけて生徒数をそれ以上増やさないようにするためのものです。

小・中学校とも4学期制で、授業は国語(英語)、算数、社会、科学、音楽、
美術、体育などが必須科目となります。


日本でも最近“個性を伸ばす教育"の大切さを説いていますが、ごく自然に実
践できているのがニュージーランド教育の素晴らしさだと思います。
担任の先生は生徒の中で特に絵に興味がある子がいれば何人かの生徒を募集し、
学校に絵画講師を呼び、教室をオープンにして安い授業料で習えるように配慮
したりもします。スポーツに関しても同じで、学校地域に近いスポーツクラブ
のそれぞれの専門のインストラクターから教えてもらうことができます。


[中等教育]
初等教育課程を終了すると、日本の中学と高校を一体化させたようなセカンダ
リースクールという学校に18歳まで通います。セカンダリースクールは小・
中学校と同様4学期制をとり、5年制です。ここでは必須科目の他に多くの選択
科目を学びます。選択科目の中には日本語を採用している学校も近年増加して
いますし、人気もあるようです。
 

●ニュージーランドの教育改革 
〜 柔軟性を持った学校運営をするために 〜

80年代後半迄の公立学校の教育システムは、日本の文部省、各都道府県の教
育委員会、各市町村の教育委員会、そして学校という縦割り体制とほぼ同じ性
質を持っていました。このことはもちろん学校独自で何かをしようとしても上
の機関にお伺いをたててからでないと何もできないしくみであったわけです。

しかし、89年、ニュージーランドの教育体制は大きく変わりました。
まず、教育省はそれぞれの学校の運営に関しては関係を持たず、学校の運営は
その学校の判断に全てを任せるという体制に変化しました。
具体的には学校運営に必要な予算は教育省から各学校に与えられる(予算額は
生徒数によって決められる)が、学校の運営については各学校で選出された運
営理事会のメンバーによっておこなわれます。
この運営理事会のメンバーは、父兄及び学校のある地域から選ばれた人達で構
成されていて、校長先生をはじめ教師も運営理事会により雇われる形となりま
す。
この89年の教育の改革には教科のカリキュラムを見直すということも行われ
ました。このカリキュラムには初等、中等教育で何を学ぶべきかということが
きっちりと書かれています。
日本と違い、教育省は一切の教科書を発行していません。
上記カリキュラムの内容を満たすものであれば、どんな教科書を使ってもいい
ことになっており、他国の教科書であっても、またたとえ先生が書いたもので
あれ、何でもいいことになっています。(日本の教科書検定にあたるものはあ
りません)

こうした教育システムにより各学校が責任と柔軟性を持った学校運営を行って
いるのです。この責任と柔軟性を持つということが日本の学校との大きな違い
かもしれませんね。



  ※KIAORA MAILニュージーランド掲載
  1999.09.16


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