| 未来型スーパーマーケット |
外国のスーパーマーケットを訪れると、そこに住む人達の生活を垣間みるこ とができます。ニュージーランドのスーパーマーケットでも日本の買い物か ごの何倍もあるようなショッピングカートや、天井にぶつかりそうなくらい 高々と積み上げられているシリアルの箱、何人家族用かと思うような巨大サ イズの肉のパックや、珍しいフルーツなどなど…。日本との違いを見つける だけでも実に楽しいものです。 ウールワースやフードタウン、パックンセーブなど、それぞれ特徴があって、 ニュージーランド滞在中にスーパーマーケット通いを楽しんでいる方も多い のではないでしょうか。 さてこのスーパーマーケットですが、『レジの無人化』が世界レベルで少し ずつ浸透していっているのはご存知ですか? アメリカのウォルマート・ストアーズを筆頭として、フランスのカルフール やドイツのメトログループなどが無人レジ装置を開発し、米国、欧州各国に 限らず、様々な国への進出を果たしています。 実はこの最新のシステム、ニュージーランドのいくつかのスーパーマーケッ トでも導入され始めているんです。 どんなものかといいますと…、採用されている無人レジのタイプは会社によ って様々ですが、主に2つのタイプに分かれます。 1)購入する商品をレジに持って行き、自分でひとつずつバーコードをスキ ャンし、お金をATMで入金するのと同じように支払うタイプ(クレジット カードも可) 2)ショッピングカートに載せた端末に商品のバーコードを読み取らせてか らカートに入れていき、レジでその端末を渡して支払うタイプ (1)のタイプは、現在、オークランドのいくつかのスーパーマーケットで 試験導入されていますが、私自身、ウェリントン郊外で(2)のシステムを 導入したスーパーに行った事があります。 まずは入店時にショッピングカートと一緒にバーコードをスキャンする為の 端末機器(シャワーヘッドくらいの大きさ)を借りて、商品をカートに入れ る際に自分でバーコードをスキャンしていくのです。 野菜や果物などの生鮮食品は、店内に多数設置されている電子量りに、購入 する品物をのせ、接続されているコンピューターの画面からタッチパネル式 で購入する商品を選ぶと、商品名、金額が記されたバーコード付きのシール が出てくるので、それを商品に貼付けてスキャンする、といった形です。 タッチパネルは、例えばリンゴなら最初のアルファベット画面から「apple」 の「a」を選びます。すると次の画面で数種類のリンゴが価格、イラスト付 きで表示されます。 また、端末機器にあるボタンを押せば、買い物の途中にスキャン済みの品物 の合計金額を見る事ができるのでとても便利です。 この無人レジ導入の利点としてあげられることは、主に次の5点。 ・長い列に並ぶ必要がない ・プライバシーの保護 ・自己管理が可能 ・精算方法の選択が可能 ・販売側の人件費削減とサービスの向上 今まで2台のレジがあったスペースに4台の無人レジを置く事ができ、しかも 従業員不足だからといってレジが停止になることもないので、当然レジが混 雑する心配もなくなるわけです。また、自分で全て管理するので、他人に見 られたくない商品も購入しやすくなります。 スキャンした時点で購入する商品の重量が読み取られているので、レジに置 いた買い物袋の重量との誤差が出た場合には警告され、スキャンのし忘れや 万引きなどもしっかり防止されます。 今年の初めに、調査会社のIDC(マサチューセッツ州・フラミンガム)によっ て行われたアンケート調査によると、アンケートの対象となったアメリカ、 イギリス、ドイツ、イタリア、オーストラリアに住む消費者各国1,000人づ つ計5,000人のうち約70%の人がこのシステムをぜひ試してみたいと答えて います。また、90%以上の小売り業者が、このシステムを導入する事で競争 上の優位性を得られると考えています。無人レジの普及が進んでいる北米で は2007年までに25万台の無人レジ端末が設置される予定だそうです。 ところで、日本で最近『食育』という言葉が注目されていますが、この無人 レジシステム、子供との買い物の時間をとても楽しくするのではないでしょ うか。 バーコードをスキャンしたり、野菜や果物をタッチパネルで選んでシールを 出すことは、子供にもってこいのお手伝いです。実際にスーパーでは、親が 食品を選び歩く一方で、子供がはしゃぎながら果物を量りに行き、親のカー トへと戻っていく姿を見かけました。とても微笑ましい光景でしたよ〜。 スーパーでのお手伝いは、自然と食べ物への興味が湧き、食材の種類や名前 を覚えることもできますし、色や大きさ、形などの違いにも注目できるよう になるのではないでしょうか。子供にとってはゲームのような感覚でお手伝 いできるのですから、他のスーパーへ行くよりも断然楽しいですし、そのう え経済的、時間の短縮にもなるのだから言う事なしです。 また、ニュージーランドでは、車で来て1週間分の買い物を一気に済まして しまうケースが多いことも(大きなカートに食材があふれるまで乗っけるの です)、こういったサービスが浸透しやすい理由かもしれませんね。 この無人レジシステムですが、現在日本でも日本NCRのほかに富士通や東芝 テック、寺岡精工が運用実験を開始しています。10月4日には富士通が他に 先駆けて本格販売を開始するそうです。日本向けにサイズや機能の改善をは かり、これからも研究が進められていくことでしょう。 同じシステムが異なった文化の中でどう浸透して行くのか。これはライフス タイルや国民独自の価値観、社会状況など、様々な事が関与するのでとても 興味深いと思います。 ニュージーランドと言えば「羊」しか思い浮かばない方もまだまだ多いので は?(キオラメールをずっと読んでいただいている読者の方はそんなことは ないと思いますが…笑) 日本でもまだ見慣れないようなハイテクな未来型スーパーマーケットを見た ら、きっとびっくりするでしょうね♪
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| ※KIAORA MAILニュージーランド掲載 |
| 2005.12.26 |
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