水不足とデイライト・セービングの関係



 
皆さんもご存じのように、ニュージーランドは農業が大変盛んな国です。

それではこの国から日本への輸出品目のナンバーワンは?というと、実はアル
ミニウム製品なんです。その割合は日本への輸出総額の約20%を占めています。

これはお隣のオーストラリアで採れたボーキサイトをニュージージーランドに
運んで来て、精練してから日本をはじめ、世界各国に輸出しているからなので
すが、それでは、なぜオーストラリアからわざわざニュージーランドに原料を
運んで来て製品にしているかと言うと、実はニュージーランドの方が電気料金
が安いからなのです。実際にニュージーランドは世界でも電気料金が割安な国
として知られています。

ニュージーランドの電力は水力発電が全体の6割以上となっていて、発電所の
数は全国に30ケ所以上もあります。この国は豊富な水資源を上手く利用して、
電気を供給しているわけですが、今年は天候が異変しているのか、全国的にも
降水量がきわめて少なくなっており、問題が深刻化しています。つまり降水量
が少なく、電気の供給不安が高まっている状況になっているのです。

ニュージーランドでキオラメールを読まれている方は毎日、新聞で配電会社が
「節電にご協力を…」という一面広告をご覧になっていると思いますが、会社
がわざわざ自社のサービスについて「皆さん、なるべく利用しないでください。
お願いします。」と一面広告で訴えてかけているのを見ると、日本人の目から
は何とも不思議に見えるのですが、それだけ電気が止まるというのは日常生活
で深刻なことなのです。

今から3年前の1998年2月にオークランドで突然起こった停電はまだ記憶に新
しいことと思います。あの停電の影響でオークランドのビジネス全体に当時か
なりのマイナスが出ましたね。その年のニュージーランドのGDPの伸びにも大
変な影響が出たとも報じられました。冒頭でご紹介した通り、この国の豊富な
電力をメリットに輸出されている品目もあるので、今回の水不足、全国的に懸
念されているのです。


■打開策となるか?早期のデイライト・セービング

そこで現在、ニュージーランド政府が検討しているのがデイライト・セービン
グの早期実施案。「デイライト・セービング」とは国全体で時計を1時間早め
て夏時間にすることです。Daylight(=日光)をSaving(倹約、節約)する
というわけで、これにより急に日が伸びて、毎年真夏には午後9時から10時
ぐらいまで明るくなるわけですが、このデイライト・セービングを今年は通常
の10月初旬からもっと早くスタートさせて見てはどうか、というもの。

「たかが時間を1時間進めただけで…」と思う方も多いかもしれませんが、昨
年のデータではこのデイライト・セービングが実施された1週間の電気の消費
量を見てみると、実施前の週と比べて3.5%も減少(=節電!)になっている
とのこと。過去3年間の平均も見ても2%は確実に減少していると報じられて
います。特に家庭での電力消費量が増える午後5時から8時では、デイライト
・セービングの実施前と実施後の1週間では7.5%の差が出ているとか。国全
体のイベント(?)ですので、確かに節電効果はありますね。

水不足で電力供給の不安が出て来たので、“思いきって時間を1時間早めてみ
よう”、とてもストレートで分りやすい打開策ですが、反対派もいるようです。
果たして今年のデイライト・セービングは一体いつからスタートするのか?
興味がありますね。


  ※KIAORA MAILニュージーランド掲載
  2001.08.21


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