暮しやすい国へ移動するという発想



 
日本のある方から教えていただいた情報では、日本の人口は今から4年後の
2004年に1億2700万人でピークを打ち、その後は減少傾向を辿るようです。
また予測では100年後の2100年には7000万人を切ると考えられています。

日本は江戸時代から一貫して人口が増加してきましたが、4年後に起こる人口
減少のトレンドは、現在の日本の産業構造や社会構造を根本的に変えると考え
られているようですね。

「それではニュージーランドの今後の人口は?」という声が皆さんからも出て
きそうなので今回、お伝えしましょう。

ニュージーランドは4年に一度、「Census」と呼ばれる国勢調査が行われます。
今年2000年がその年に当たりますが、まだ実施されておらず年齢別人口など詳
しいデータとして公表されているのは、4年前(1996年)の古いものしかあり
ませんが、現在までのニュージーランドの人口動態は以下の通りとなっていま
す。

〓96年現在の人口 3,681.546(注:98年末:約381万人)

〓全体の男女比率は、男性97:女性100(女性の方が多い)
 特に65歳以上では女性の割合が非常に高く、男性76:女性100
(そのため65歳未満では、男女の数はそれほど差がないと考えられます。)

97年に発表された人口増減の中期予測によりますと;
「2039年の人口は現在より22%アップの4,530,000人、その後はゆるやかに
減少し、2051年には4,490,000人となる。」


日本では死亡率が2005年に出生率と逆転し、生まれる数よりも亡くなる人の数
の方が多くなるだろうと予測されているようですが、現在、ニュージーランド
では、相変わらず出生率が死亡率を上回っており、この傾向はあと30年は続き、
人口は今後も増加すると予測されていますので、日本とは異なるトレンドのよ
うですね。

但し一方では日本と同様、高齢者の割合が多くなり、これは以下のMedian Age
(総人口の平均年齢のようなもの)を見てもお判りになると思います。

◆人口動態予測(96年現在)
           
     0〜14歳 15〜64歳  65歳+  全体  Median Age
├──────────────────────────────────┤
 1996年  846   2438    430   3714   33.0 
 2001年  871   2574    456   3901   34.6
 2011年  809   2794    552   4154   38.0
 2021年  763   2840    750   4352   40.5
 2031年  765   2749    981   4495   42.4
 2041年  727   2680   1123   4530   44.6
 2051年  696   2645   1145   4486   45.8

出所:ニュージーランド統計局 (単位:千人)


さて人口増減の要因は自然増加/減少の他にも、外国からの移民の数もあると
思いますが、日本で発表される多くの人口予測にはこうした外国人の移民の数
がほとんど考慮されていないように思うのですが、どうでしょう?
日本ではこれから5年後に人口が減少していくというトレンドがすでに明らか
になっているわけですが、今後はもっと外国人を受け入れるなどの具体的な移
民政策が出てくるのでしょうか?また日本から海外に移住する日本人の数は今
後、どうなるでしょう?大変興味深いですね。

グローバルの時代には一国の国際収支がどうこうというのはもう無意味だ、と
いう議論もやっと出て来てきました。ひとつの国の人口が100年後にどうなっ
ているかはもしかしたら、あまり意味を持たないことになっていくのかもしれ
ません。

また私達は生まれる場所を選択することは出来ませんでしたが、現在は自分の
住む場所を自ら選択することが出来る時代です。一国の人口増減を決定付ける
要因が、これまでのように単に自然増加/減少(=出生率ー死亡率)になるよ
りも、今後はどの国に移住しようかという個々の意志による社会的移動がもっ
と影響を与えることになっていくとも考えられますね。

つまり生活しにくい国から暮しやすい国へ移動するという発想です。



  ※KIAORA MAILニュージーランド掲載
  2000.09.15


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