年金受給者とサラリーマンの手取りの現状(1)



 
日本では「ゆとりある老後を送るために夫婦で月々39万は必要」(平成8年:
生命保険文化センターの調査)という結果が出ているようですが、ニュージー
ランドではどうなっているでしょうか?今回は2回にわけてニュージーランド
の年金受給者とサラリーマンの現状についてのレポートします。


●ニュージーランドの社会保障制度と現在の年金

まずニュージーランドの社会保障制度が日本を含む他の国と大きく異なってい
る点は、基本的に受益者負担制ではないということ。もっと簡単に言ってしま
うと、たとえ税金を払っていなくても年金がもらえるシステムになっています。
ニュージーランドでは国民年金をはじめ、失業手当てなどの諸手当はいずれも
税収入でまかなわれています。サラリーマンやOLなど給与所得者は、日本のよ
うに社会保険料という「税金」を特別に支払いをしているわけではありません。
そのため納税をしていない人でも、一定の資格要件を満たしていれば、納税者
と同様に恩恵が受けられるというわけです。

1997年度のニュージーランドの社会福祉支出はNZ$105億6600万(日本円に
して約6868億円)。このうち半分が、年金の支給に使用されました。
ニュージーランドの国民年金の受給開始年齢は、現在60歳となっていますが、
これも2001年より年齢が引き上げられ、日本と同様に65歳からになることがす
でに決定しています。ちなみにニュージーランドでは子どもが社会に出たり成
人した後に親と同居する習慣がないため、60歳以上の約6割以上が一人暮しを
していると言われていますが、年金(国民年金)はいくらぐらい支給されてい
るのでしょうか?


●年金支給額の現状

ニュージーランド政府の打ち出した退職者収入保障計画によりますと、支給額
は一人暮らしの場合、週にNZ$252.82(約16,939円)、夫婦そろって受給資
格のある場合では、週NZ$397.04(約26,602円)となっています。
また年金受給者であっても、一人暮らしの場合で週にNZ$80(約5360円)、
夫婦の場合では週にNZ$120(約8040円)を超える収入がある場合には、1
ドルにつき25セントの税金を払うことになっています。

また老後にこうした公的年金以外にも年金を受け取りたいという場合には民間
の保険会社などに加入するわけですが、こうした私的年金については受け取り
額の1/2に対してのみ課税される仕組みになっています。


●年金生活者のライフスタイル

夫婦二人そろって年金をもらっても、週に約26,602円、1年間(52週間)で
138万円。かなり金額が少ないのではないかと感じる方が多いと思いますが、
この金額で生活は成り立っています。但し、あくまでもこれは「贅沢をしなけ
れば」という条件付きです。

日本人と比べると、多くのニュージーランド人の生活は質素ですし、また一方
で60歳以上の人にとっては、生活のいろいろな場で割り引きが受けられる特典
が設けられていますので、基本的な生活コストはこれでカバーできています。

年金をはじめ各種手当の支給額は消費者物価指数の動向により毎年調整されて
いますが、先に述べた通り、いろいろな特典、たとえばマクドナルドのような
ファーストフードのお店に行っても割り引きが受けられることが当たり前にな
っていますので、たとえ生活は質素であると言っても、数年に1回はお隣りの
オーストラリアやフィジーに1週間ぐらいのんびりと旅行に行って楽しむ、と
いう年金生活者も少なくありません。

さて次回はサラリーマンやOLの給与の実体をレポートします。お楽しみに。


  ※KIAORA MAILニュージーランド掲載
  1999.07.15


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