私の旅の楽しみ方



 
 旅の楽しみ方もいろいろです。

 最近では短期間に駆け足で観光地を訪れるパックツアーではなく、目的を持
 った、どちらかというと滞在型の旅が増えていると聞きます。予め決められ
 たものより、自分で計画するオリジナルの旅が面白そうですね。
 泊まるところも、ホテルより自炊の可能なモーテルや地元の情報ならお任せ
 というオーナーとの会話も楽しいB&Bが、旅の楽しさを広げてくれます。ま
 たは格安で施設も充実しているバックパッカー等も若者に人気がありますね。
 手つかずの自然に触れることが出来るのがこの国の魅力ですが、目にした風
 景だけでなく、そこで出会った人達によっても旅の印象は随分変わってくる
 ようです。
 「地元の人達との交流」や「自分だけのお気に入りスポット探し」、また
 「いかにして安値で居心地の良い宿泊先を見つけるか」等も旅の楽しみのひ
 とつとして加えてみてもいいのではないでしょうか。
 今回頂いた旅行記にも、そんな旅のヒントが詰まっているように思います。 

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 「私の旅の楽しみ方」

 思えば今回の旅は、日本の旅行会社が主催するパックツァー『秋のニュージ
 ーランド』のパンフレットがきっかけでした。
 その表紙を見た瞬間、妻は《もう一度ニュージーランドに行きたいッ》と叫
 んでいました。そこにはワナカ湖畔のまっ黄色のポプラと真っ青な空、遠く
 の白い雪山が水面に見事なコントラストを見せた1枚の美しい写真があった
 のです。

 その風景を求めて、ニュージーランド南島をレンタカーで2週間3600キロメ
 ートル走りました。クライストチャーチを出発したのが4月12日、少し黄葉
 までは早いかな?と思って、まずはアーサーズパスの峠を越えて南島の北半
 分を回り、ネルソン、ピクトン、カイコウラから再びクライストチャーチを
 通ってテカポ湖に着いたのが4月16日でした。『善き羊飼いの教会』は、黄
 色と緑と空色で私たちを迎えてくれました。
 次に尋ねたワナカ湖畔のポプラは、もうこれ以上のタイミングはないだろう
 というほど黄色が燃えて、まるでパンフレットの写真の中に溶け込んだよう
 な見事さでした。

 今年の秋のニュージーランドは、平年より半月ほど季節が早く移り変わって
 いましたので、私たちがワナカを訪れた4月中旬は、正に黄葉最盛期だった
 のです。ニュージーランドには、葉が赤くなるカエデやハゼといった木は、
 ほとんどないので、秋は黄色一色の黄葉です。それもほんの1週間か10日ぐ
 らいの期間なので、1ヶ月以上も前から予約するパックツァーでは、なかな
 かこのタイミングに合わせるは難しいですね。

 南島の背骨部分を縦断するルートは、アルプス街道と呼ばれています。
 最大の観光地マウントクックやクイーンズタウンからフィヨルドの美しいミ
 ルフォードサウンドまで自然が一杯で、これぞニュージーランドというほど
 美しい風景の連続です。

 クライストチャーチから南側の東海岸はペンギン街道、北側の東海岸は鯨街
 道と呼ばれ、イエローアイドペンギンやマッコウクジラ、イルカ、アザラシ、
 アホウドリ、キーウィなどの希少動物たちを手の届くぐらいの近さで観察す
 ることが出来て感激ものです。

 ニュージーランドでは、ちょっとした町には大抵設備の整ったモーテルがあ
 り、1泊1室2人で80ドル(約4800円)ぐらいで泊れます。すべてのモーテ
  ルはキッチンつきです。小さな町にはレストランなどはほとんどありません。
 日本のように街角に自動販売機もなく《マア何とかなるだろう》と軽い気持
 ちでドライブに出かけたら、ほとんど食事にはありつけません。そこで仕方
 なくバターやジャム、マヨネーズなどといったものは小さな箱に入れて持ち
 歩き、大きな町で買い整えたパンやハム、卵、マグロの缶詰『ツナ缶』など
 で毎朝サンドイッチを作ってのドライブです。

 去年10月に北島に行った時には、1ドル50円の換算でしたが、今回は2割も高
 い1ドル60円でした。ニュージーランドの経済は、今とても堅調に成長して
 いるのだそうです。それでも特に食料品を中心とした物価は、日本のおよそ
 半額程度ですのでとても住みやすい国です。

 但し、経済成長と共に一方で増え続ける犯罪(誘拐、強盗、殺人、麻薬の密
 輸入、若者の車の暴走、発砲事件など)のニュースがテレビで報じられ、ニ
 ュージーランドの安全神話も崩れかけているのかなと心配になりました。

 この国の特に良いところを3つ挙げてみますと…、
 1.土地・家屋・自動車・高価な家電製品・高価な家具類を除いたほとんどの
  商品の消費税が内税、食料品は消費税なしなので《取られた》感がなくて
  済むこと。
 2.高級ホテルと高級レストラン以外ではチップの習慣がないこと。
 3.国中どこの町の水道も生水が飲めしかも美味しいことです。

 レンタカーツァーの後は、クライストチャーチで5週間生活しました。
 モーテルの経営者が別棟で長期滞在者に貸しているフラットで、キッチン、
 洗濯機、掃除機までついた清潔なワンベッドルームです。電気、水道、加入
 電話や税金も込みで1週間400ドル、1日当たりにすると日本円で3300円。
 勿論2人でこの値段です。

 最近の私たちの外国旅行は如何に安く上げるかを第一に考えて予定を作って
 います。今回の53日間の総費用は、岡山の自宅を出て帰宅するまで航空運賃
 やレンタカーの代金、日本の国内移動の費用も帰国後の写真の現像引き伸ば
 しも一切合財を含めて2人で685000円でした。
 日本で生活するのに少し足せば、外国ででも楽しい生活が送れるものですね。
 (岡山市在住・安田 了三〔65歳・年金受給者〕)


  ※KIAORA MAILニュージーランド掲載
  2002.07.01


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