クリケットが好き!



 
ニュージーランドの子供に「好きなスポーツは何?」と聞くと、決まってラグ
ビーかクリケットと答えるでしょう。
誤解を恐れず言うならば、ニュージーランドの代表的なスポーツは、夏はクリ
ケット、冬はラグビーと昔から決まっている?のです。もちろん、ヨットをは
じめマリンスポーツやトランピングなど自然と触れ合うことのできる主にアウ
トドア・スポーツはニュージーランド人のライフスタイルに深く、そしてうま
く溶け込んでいます。でもシーズンになると、誰もが気になってしかたがない
このラグビーとクリケット。
今回はこれからシーズンインするニュージーランドの夏の代表的スポーツ、ク
リケットってどんなスポーツなのか、少しご紹介しましょう。

ニュージーランドのラグビーとクリケットは、人気度においては日本なら野球
かサッカーとなるのでしょうか。ニュージーランドにおいては夏の定番ともい
える人気のスポーツですが、日本に紹介される機会が少なく、我々日本人には
馴染みの少ないスポーツであることも確かですね。(ガイドブックにもあまり
載っていないかも)
              。。。。。。。

○クリケットの歴史
ラグビー、サッカーなど英国で生まれた近代スポーツは多いのですが、その中
でもとりわけクリケットの歴史は古く、600年以上も前にその原形となるものが
あったとされており、1774年からは当時の貴族階級を中心に広まっていました。
それだけに今も伝統的なスタイルやマナーを重んじる紳士淑女のスポーツとい
うイメージがありますね。
世界の競技人口はサッカーに次いで多いといわれています。


○魅力
クリケットは野球のルーツだといわれ、一見よく似ています。投げて打って走
って捕ってという点が共通している部分ですが、野球に親しんでいる我々日本
人にとって、ルールや試合運びなど実際には違いが多すぎるので、まったく違
うスポーツだという見方が必要かもしれません。
複雑なルールはほとんど無いので、慣れてくると、多様な技術のおもしろさや
ちょっとした作戦を考えるのが楽しくなってきます。とても奥の深いスポーツ
です。  
また、クリケットプレーヤーに特に望まれることは、フェアプレー精神だとい
われます。クリケットの一語でフェア・プレイという意味を持ち、「公平じゃ
ないよ!」という時に「It's not Cricket!」と使ったりします。


○ゲーム
1チーム11人の2チームが、1イニング10アウト交代で2イニングを行います。
競技場の中央にはピッチがあり、ここに20m余りの距離を隔てて2組のウィケ
ット(三柱門)が立っています。このエリアは、野球でいえば、ベースとピッ
チャーズマウンド、バッターズボックスと考えれば分かりやすいかもしれませ
ん。
野球ではフェアとファールがあるのに対して、クリケットにはファールがあり
ません。投手(ボウラー)が助走を付けてワンバウンドの球を肘を曲げずに投
げ、打者(バッツマン)はそのボールを360度あらゆる方向に打ち返します。
それを野手(フィールズマン)がダイレクトで捕ればアウトです。また、ウイ
ケットの上に置いてある木が落とされるとアウト。
バッツマンはアウトにならない限りずっと打ち続けることもできますし、逆に
たった1球でアウトになってしまうこともあります。
打者のアウトの後は、控えにいる次の打者が打席に入り、10アウトになるとチ
ェンジとなります。

(*ちなみに、サッカーで1プレーヤーが1試合3ゴール決めることをハットト
 リックというが、英国の伝統的スポーツであるクリケットで、3人の打者を
 連続してアウトにした投手に帽子(ハット)が贈られたことが語源といわれ
 ている。)

国際試合などは一試合最大5日間要することもありますが、近年では、1日で決
着がつくワンデーゲーム制度が進み、国際クリケットにも新時代の到来を告げ
ています。ユニフォームは上下真っ白、ウールベストも白というのが伝統的な
スタイルですが、これも最近では各チーム自由な色合いやデザインが認められ
てきました。英国の長い伝統を守っているスポーツ、クリケットにして画期的
な変化だといわれています。



○クリケットの盛んな国々(国際クリケット協会ICC加盟国41ヶ国中) 
・英国
・ニュージーランド
・オーストラリア
・南アフリカ
・インド
・パキスタン
・西インド諸島
・スリランカ
・ジンバブエ
(日本も1989年にICCに加入しました。)

英連邦諸国を中心に熱狂的なファンに支えられながら国際試合も毎年行われて
います。イングランド(クリケットが国技)対オーストラリアの試合は伝統の
一戦で100年以上続いています。また、4年に一度、ワールドカップも開催され
ます。(次回開催は2003年)
ニュージーランドは世界ランキングでも毎年ベスト4にランクされています。

              。。。。。。。

私が未だ10代の頃、オーストラリアでホームステイをしていた時のこと…、
ある朝、その家の御夫婦が「今日(から)クリケットを楽しむから君もおいで」
といわれて連れていかれたのが街はずれのBAR。そこには大きなテレビが2台置
かれていて客はビールを驕り合いながら5分に1回くらい誰かが大声を出したり
拍手をする以外は只黙々とビールを飲み、画面を凝視していていました。
私が初めて観たそのクリケットの対戦相手はニュージーランド。そう、宿敵、
ライバル、絶対に負けられない相手だったのです。
何も知らなかった私は野球のように2時間程度で終わると思っていたその試合
は6時間も続き、足元ふらつきながら(酔っぱらって)の帰宅となったのでし
た。
「オーストラリア人のクリケットの楽しみ方はこうなんだ!」と豪快に笑っ
ていた顔がとても印象に残っています。もちろん、ニュージーランドのBARで
も全く同じ光景を見ることは出来ますが。(笑)
その試合は結局五日間続き(あの時、今日(から)と言っていた意味がやっと
分かった)、オーストラリアが僅差で勝利したように記憶しています。ルール
も知らなかった私にはゲームそのもののおもしろさは、はっきりいって理解で
きなかったのですが、私の知らないこの国の生活スタイルの一部を垣間見るこ
とができたような気持ちがしました。


どんな分野にしろ国の代表になれるのはほんの一握りの人達ですが、ラグビー
とクリケットでニュージーランド代表を努めたスーパープレーヤーも存在しま
す。彼の名はジェフ・ウイルソン、まさしくスーパースターですね。

ニュージーランドでは、ビーチや公園で子供から大人まで草野球ではなく“草
クリケット”を楽しむ光景を見ることができますが、チャンスがあれば参加し
てみましょう。
観る側もビール片手にのんびりと…、ゆったりと流れる時間を楽しみながらや
るスポーツがあってもいいですよね。

これから夏に向けてニュージーランドを訪れる予定のある人は是非、このとて
も英国らしいスポーツ『クリケット』も楽しんでみてはいかがでしょう。


  ※KIAORA MAILニュージーランド掲載
  2000.11.15


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